学校のテストには出ない、大切なコト
子どもの可能性
バスケットボールプレーヤーの田臥 勇太(たぶせ ゆうた)選手は、身長173cmで、バスケットボール選手として決して恵まれた体格をしているわけではありません。
しかし、その田臥選手が、日本人で初めてNBA(=全米プロバスケットボールリーグ)のプレーヤーとなったことは、多くの方がご存知だと思います。
もし彼が、「お前は身長が高くないから、バスケットボールには不向き」と両親に言われて育ったとしたら、今の彼はなかったように思います。
子どもが持つ"可能性"
大人の「知識」や「常識」は、あくまで"今の世界"の中だけで語れるもの。
子どもの持つ可能性は、それを覆(くつがえ)してしまうほど、大きなものです。

大人では、「無理」とあきらめてしまうことでも、子どもはそれに挑戦し、時には克服・達成してしまうほどの柔軟な思考と若いエネルギーを持っています。
そんな子どもたちを応援してあげることが、私達大人の役割であるように感じます。
子どもにしたくない話
テレビや携帯電話、インターネットなど、
様々なメディア媒体が普及したことで、様々な情報が子ども達にも届くようになり、そしてそれらが子どもたちの"思考"に大きな影響を与えています。
しかし、いつの時代でも、どこの国でも、子どもに最も大きな影響を与えるのは、親であることに変わりません。
「子どもは親の鏡」と言われるほど、父親や母親の言動や思考は、そのまま子どもの言動や思考に移っていくものです。
子どもと会話をする時、できるだけ避けたい会話の内容は次の通りです。
1) 今の"常識"や"現実"の話
親が言ったことは、例え それが"無意識"に言った何気ない言葉であっても、
子どもにとっては”親の言葉”であることに変わりありません。
そこには「お父さんやお母さんがどう考えているか」が見え隠れし、
子どもはそれを察します。
「僕はお医者さんになりたい」
― 「お医者さんになっても、開業医じゃないと儲からないのよ。」
「私、パイロットになりたい」
― 「パイロットは男の人の職業よ。それに今は航空業界は厳しいんだから。」
「将来は学校の先生になりたい」
― 「子どもだけじゃなく、モンスターペアレンツの相手もしなくちゃいけないから、先生って大変なのよー。ママは賛成できないな。」
こうした 今の"常識"や"夢のない言葉"で 子どもの純粋な情熱は冷めていき、目の輝きは消えていってしまいます。
関西のおばちゃんのように
― 「お医者さんになったら、おばちゃんのこと診察してな。」
― 「パイロットになったら、おばちゃんのこと飛行機に乗せてな。」
― 「先生になったら、おばちゃんの孫を教えてな。」
と、子どもの夢を後押ししてあげるような言葉を掛けてあげたいものです。
2) 人の悪口・陰口
人の悪口や陰口が日常にある家庭で育つ子どもは、
必ず友達の悪口を言う子どもに育ちます。
なぜなら、子どもにとって「悪口を言うこと」が「当たり前」になるからです。
今は、自分の夫(=子どもの父親)の悪口や、自分の妻(=子どもの母親)の悪口を、子どもの前で平気で口にする親も少なくないようです。
夫婦喧嘩は、時にはしかたのないこと。
しかし、子どもに父親や母親の悪口や陰口を言うことは、
絶対にあってはならないことです。
子どもが友達の悪口を言った時も、
「友達なら、陰でコソコソ悪口言わないで、直接本人に言ってあげなさい。その方が友達も、悪いところを直せるのよ。」
と教えられる親であって欲しいと思います。
3) お金の話
「お金」は、生活をする為に欠かせないものです。しかし、同時に、
お金には、人の心を卑(いや)しく、貧しいものにしてしまう力も持っています。
このことをきちんと子どもに教えなければなりません。
子どもが成長するにつれて、ある程度の経済観念をつけることは大切なことですが、お金の話ばかりしていると、何でも損得勘定で考えるような人間に育ってしまいます。
事実、女子高生の20%は、高校卒業後にキャバクラで働くことを希望しているという統計結果もあります。
理由は、「長時間働かずに高収入が得られるから」でした。
(2008.1.4放送「わかるテレビ」(フジテレビ))
お金は「大切なもの」ではなく、「ムダにしてはいけないもの」と教える程度で十分であると思います。
子どもとしたい話
こどもたちが普段感じている様々な疑問を拾い集め、それぞれをテーマに、「学校のテストには出ない、大切なこと」というコラム(※1)にしました。
子どもと会話する際の、お父さん・お母さんの引出しの一つとしてご利用下さい。
大切なのは、子どもと会話をすること。
会話の中身は、子どもが読んでいるマンガの話でも、子どもの友達の話でも、学校の先生の話でも良いと思います。
また、会話をする際に「親として、子どもに何かを教えてあげなければ…」
という意識を持つ必要もありません。
むしろ、
「タカシは どうしてだと思う?」、「真由子だったらどうする?」
と、子どもに考えさせたり、子どもから教わるという姿勢を持つ方が良いと思います。
最初から、「子どもに何か教える」というスタンスで会話してしまうと、お父さんやお母さんが喋るばかりで、子どもが話をする機会がなくなってしまいますので。
子どものことを理解する為にも、子どもの会話能力は育てる為にも、お父さんやお母さんの意見や考え方は、いつも一番"最後"である方が良いと思います。
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(※1) | コラムのテーマは、今後も更に広げて参ります。(以下は今後の予定) | |
a.《学校・勉強編》 | b.《地球温暖化編》 | |
c.《地震対策編》 | d.《エコ生活編》 |
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