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母から学んだこと(1/2) 社会教育 東京都 会社員 TOMINAGA 2009.11.09

まだ大学生だった頃、
僕は両親が経営する中華の店でバイトをし、1か月でクビになったことがある。

後にも先にも、
その店でクビになったのは僕だけという苦い経験。

その時に母に言われた言葉は、今でも忘れられない。

その店は、都内にある中華屋で、厨房で料理するのはうちの父。

注文・配膳・お会計を取り仕切っているのはうちの母で、今でも営業している。

当時、従業員は4人いて、
僕は大学1年の夏休みに小遣い稼ぎで店の手伝いをした。

お昼の忙しい時間帯にバイトしてた時のこと、
かわいい女の子が2人お店にやってきた。

彼女たちが注文したB定食を配膳する際、
僕はサービスで杏仁豆腐を膳に載せて持って行った。

「あれ?杏仁豆腐付いてたっけ?」

と気付いた女の子に、「あっそれ、僕からのサービスです」

とテレながら答えた。

そこまでは良かったのだが、
そのやり取りを聞いていた隣のテーブルのおばさんたちに、

― 私たちのB定食には杏仁豆腐付いてないわよ!

と痛いところを突かれた。

「あっこれは彼女たちだけに特別にサービスしたもので…」

と正直に答えると、別のテーブルのお客さんたちも聞いていたようで、

― この店は客見て差別するのか?

― 私は杏仁豆腐を別に注文したけど、
   そっち女の子のはサービスで、私のは有料なの?

といろんなクレームの声があがってしまった。

かわいい女の子たちも、その場に居づらくなったようで、
ロクに定食に手も付けずにお会計してお店を出ていってしまった…(最悪!!)

店内のざわついた様子に、「なにごと?」と心配した母が飛んで来た。

事情を説明すると、すぐに母は、

「今日の定食には全部杏仁豆腐が付きますので。
 本当に申し訳ありません」

とお客さんたちに謝罪し、
従業員の人たちに、杏仁豆腐を全テーブルに運ぶよう指示したのでした。

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