母のビンタ
家族って(1) | ファミリー | 埼玉県 | 高校1年 | さくら | 2009.05.20 |
塾からの帰り道、
交番のある交差点を曲ったところで公園のベンチに座るスーツ姿の父に気が付きました。
「こんなところで何してるのかな?」
気になった私は自転車を止め、木陰から父を見ていました。
しばらくジッとしていた父はバックの中から何かを取り出すと、
それを缶ジュースでグッと一飲みしました。
「くすり?」
その後、またしばらくジッとしていた父は、
「ヨシっ!」
と言って立ち上がるとカバンを持って家に向って歩き出しました。
なんとなくはち合わせするのが怖くて、
私は少し遠回りして、父との帰りの時間をずらしました。
「ただいまー」
「おかえりー、もうすぐご飯だから着替えてらっしゃい」
台所から聞こえてきた母の声はいつもの声で、
父はお風呂に入っていました。
私は二階に上がると、父のカバンの中をチェックしました。
そこにあったのは胃薬の瓶。
中の錠剤が残りわずかで、だいぶ前から薬を飲んでいることが分かりました。
私は着替えもせずに、そのことを台所の母に伝えに行くと、
母もそのことを知りませんでした。
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