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バレンタインチョコ (2/2) ほのぼの 埼玉県 短大1年 カモミール 2013.02.18

冷静に考えれば、母はまだ46歳。
再婚だってできる年齢です。

いずれ私と妹が嫁いでしまえば、母は一人きりになってしまう。

その日の夜、私は妹と母のことで話し合い、二人してある覚悟を決めました。

バレンタインの当日、夕方に妹と駅で待ち合わせし、お墓参りに行きました。

お線香をあげ、父に「7回忌が終わったら、お母さんを自由にしてあげて」とお願いするつもりでした。

お寺の裏手にある墓地を、お花と水を手に歩く私と妹。

すると後ろを歩いていた妹が、

「私ね、パパにチョコ買ってきたんだよ〜」

と自慢気な声。

「そうなんだ。実はね、私もだよ」

と答えた私。

そんな会話も束の間、菅田家のお墓の前につきました。

綺麗に掃除され、お花もきちんと添えられたお墓。

そしてお墓の中央には...、
チョコレートが一つ置かれていました。

その箱には母の字で「あなたへ」の文字が。

「お母さん、来たんだね」

「そうみたいだね」

完全に私の早とちり。
母が買ったチョコは父へのチョコでした。

そのチョコには...母の一途さと寂しさが表れているようで、
目頭が熱くなりました。

母のチョコを真ん中にチョコを3つ並べると、妹は

「お父さんへのチョコで良かったね」と呑気な声。

しかし、私は母に寂しい思いをさせた父を恨めしく思い、

「お母さんにいい人ができたら、私はやっぱり応援するわ」

と答えました。

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