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私の知らないところで(2/2) ちょっと泣ける 埼玉県 大学一年 さおり 2012.4.24

「さおりちゃん、中学・高校ってお弁当だったでしょ?」

「え? あ、はい」

「ミニハンバーグのお弁当好きよね?」

「えぇ」

「そのハンバーグにはね、擦った玉ねぎが入ってたのよ」

「えっ?」

ぜんぜん気が付きませんでした。

私に玉ねぎを食べさせる為、

"ハンバーグに擦って入れてしまうのがいい"

と母に教えたのはそのおばさんらしく、私がお弁当を空にして持って帰ってきた時は、母と一緒になって喜んだのだそうです。

「それとね、もう一つ教えてあげる」

と言って話してくれたのは母のお弁当のことでした。

「さおりちゃんのお母さんはね、会社の電子レンジ使わないヒトだったの」

他の女性社員は皆お弁当を温めて食べているのに、母は冷たいままお弁当を食べていたのだそうです。

「でもこの4月に入ってから、お母さん電子レンジ使うようになったの。珍しかったから、どうしたの?って聞いたらなんて答えたと思う?」

「…いえ、全然分かりません」

「お母さん、こう言ったの。 "さおりも4月から
  大学の学食で温かいランチ食べられるようになったから"って」

心の中で泣けちゃいました。

私、たくさん愛されていたんだなぁと。

5月の母の日には、はじめて受け取るバイト代で
何か母にプレゼントしようと思いました。

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