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一人娘の結婚 (2/2) ≪ちょっと泣ける≫ 神奈川 主 婦 S.W. 2011.10.24

長女の女の子の誕生日の夜、娘は10時過ぎに帰ってきました。

目は赤く腫れていましたので、きっと彼の方から別れ話をされたのでしょう。

「お帰り」

出来るだけ優しく声を掛けましたが、娘は玄関に座り込んでシクシクと泣いていました。

「しばらく一人にして」

そう言われ、私は娘を玄関に残したまま居間へと戻りました。

とその時、家の電話が鳴りました。

そばにいた夫が電話に出たのですが、受話器から洩れる声から、小さな女の子からの電話だと分かりました。

「ママになってくれるっていったじゃない!ママになってくれるっていったじゃない!」

聞こえてくる悲痛な声。

夫はその声を黙って聞いていましたが、しばらくすると玄関にいる娘に向かって「お前に電話だ」と受話器を渡しました。

娘の声が玄関から聞こえてきました。

「ごめんねー、ごめんねー」

泣きながらそう言い続ける娘の声に居たたまれなくなったのでしょう。

夫は立ち上がると車のキーを手に取り、玄関にいる娘に

「送ってってやるから、早く行ってあげなさい!」

と言いました。

それが、娘の結婚を認めた瞬間でした。

車の中で、夫は娘に今度相手の男性を家に連れてくるように言ったそうです。

もちろん、私たちの孫になる4歳と2歳のこどもも一緒に。

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