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ラケットなしのテニス合宿 (1) ≪ちょっと泣ける≫ 神奈川 大 2 ルリ 2011.5.11

テニス部で、私とダブルスを組んでいるA子のお母さんは宮城県の出身。

今回の津波で親戚のほとんどが家や家財を失ってしまったのだそうです。

4月に入ると、A子は「練習も、合宿にも参加できない」と言って休部届を提出。

理由を聞くと、G.W.中にA子の両親は宮城の親戚の家に
片づけの手伝いに行き、A子はいとこたち(小学2年〜中1)6人を
神奈川に呼んで、皆を遊びに連れていきたいからと話してくれました。

「だから、バイトに専念したいの」とA子。

A子の話を聞いて私は悩みました。

今から他の子とダブルスが組めるか。
それより、私にも出来ることがあるんじゃないかと…。

一週間後、私も合宿をキャンセルしたいと
部長に申し出ました。

合宿やめてA子の手伝いをしようと思って。

すると、部長から、

「あなたで4人目よ。"A子の手伝いしたい"って合宿をキャンセルした人。
 でも…、本当はA子と1年からずっとペア組んでるあなたが一番になるべき
 だったんじゃないの?」

と言われてしまいました。

確かに部長の言う通り。

私は何を迷っていたんだろう。

A子が困った時に、真っ先に手を差し出すべきだったのに…。

それが出来なかった自分が腹立たしくて、A子に申し訳なくて、
その日A子のバイトが終わる時間を待って電話をしました。

「ルリ?どうしたの、こんな時間に。
 今からそっちに行こうか?」

電話の向こうで私のことを心配するA子。

「あーもうダメ。泣きそう。泣いていい?」

そう言うのが精いっぱいで、
私は「ごめんねー」と言いながら泣きました。

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