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歯を抜くお医者さん ≪ほのぼの≫ 埼玉県 主 婦 ドキンチャン 2010.11.09

数日前から前歯が少しぐらぐらしていて、
それが気になるのか、息子はやたらと歯をいじって落ち着かない様子。

思いきって「抜いてしまおう」と思ってトライしたのですが、もう少し!というところで抜けない。

歯医者に連れて行くとすれば、小児歯科医さんがいる曜日まで待たなければならないし…。

実家に帰ったのは、
息子(小1)がそんな状態の時でした。

夕方、思い出したかのように
「そう言えばね…」

と母に息子の歯のことを話しました。

すると母はすぐに手を洗いに行き、歯を抜く気満々モードに変身 (^^)

「こっちに来て、ばーちゃんのひざに横になりなぁ〜」

母の言葉で、息子は何のことかすぐに分かったようで、
素直に母のひざに横になり、思いっきり眼をギュっとつむりました。

その姿を見て、母は

「ばーちゃんはね、ルア(息子)のママの“子どもの歯”をいっぱい
 抜いてきたんだよ。だから大丈夫。
 ルアは口だけ開けてテレビ見てればいいから。ばーちゃん、上手なんだよ」

と言って指をキュッとしました。

しかし息子の反応を見ると、どうやら最初の"キュっ"は失敗のようでした。

「おばあちゃん、やっぱり抜けなかったでしょ?」

そう言う息子に、母はニコリと笑って「ほらっ」と手を広げました。

するとそこには小さな前歯が…。

それを見て、息子は自分の舌で前歯を確認してから

「すっご〜い!おばあちゃん、歯を抜く名人だね。
 “子どもの歯を抜くお医者さん”になればいい〜んだよ。
 抜いたのわからないくらい早かったし。痛いのは、一瞬だったよぉ」

と大はしゃぎ。

そんなことがあった夜のこと。

母と二人でビールを飲んでいたら、急に母が楽しそうに笑い出しました。

「どうしたの?」と聞くと、

昔、歯を抜く時に私が見せた顔と、今日ルアが見せた顔が
そっくりだったと話してくれました。

「目をギュっとつむってね、ジッと待ち構えているの(笑)」

遠い昔のことでよく覚えていませんでしたが、
なんとなく想像はできました。

「それにしてもまさか、孫の歯も抜く日がくるとは思わなかったわ〜」

そう言って笑う母はとても嬉しそうでした。

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