文字を小さく文字を大きく
 
父からのメッセージ (2) ≪ほのぼの≫ 埼玉県 高 3 あみぽん 2010.08.31

父との間にできた溝。

それは時間と共に埋まることはなく、むしろしっかりとした形として広がっていきました。

普段会話をすることもなくなり、目を合わすことさえ少なくなっていきました。

そんな時に、
母が十二指腸潰瘍で入院。

会社の健康診断で採血をしている時に貧血で倒れ、
そのまま病院に運ばれたのです。

母の病状も気になりましたが、
それ以上に気になったのは、母が入院している間の父との生活のことでした。

(誰がご飯作って、誰が洗濯ものして、誰が掃除するのだろう?)

私はそんなつまらないことを頭の中でめぐらせました。

母が入院した日の夜、
私と父は久しぶりに会話をしました。

「3日置きぐらいに病院に行って、
 お母さんのパジャマと下着の替えを頼まれて欲しい」

と言った父。

その言葉にカチンときた私は、

「なんで3日置きって決めつけるの?毎日病院に行ったっていいじゃない!」

と抗議しました。

すると父の口から、

「テニスの部活があるだろ。
 せっかくレギュラーになったんだから、練習はちゃんと続けなさい」

という言葉が返ってきました。

部活の話が出たことにちょっとビックリした私。

父は続けてこう言いました。

「お母さんは大丈夫だから。
 それに、家のことは全部お父さんがやるから、亜美は心配しないで、
 今まで通り学校も部活もちゃんと行きなさい」

と…。

でも、そんなこと言われても、心配するのが家族というもの。

当時の私は父の言葉が理解できず、
(私は家族じゃないの?)なんて感じたのを覚えています。

その日の夜は、夕食も食べずに就寝しました。

翌朝、起きると父は既に会社に出勤したようでした。

でも、食卓には私の朝食が用意されていて、
その横には学校に持っていくお弁当も置いてありました。

○ 連載「父からのメッセージ」 --- [1] | [2] | [3] | [4] | [5] | [6] | [7]

○ 「ホノボノ一覧」に<戻る>

-------------------------------------------------------
イメージ写真、文中の下線、カラー等の装飾、並びに関連サイトへのリンクは、
Simple-HP側にて設定させていただいております。
コラムに対するコメントもお待ちしております。 一つの『コラム』として選考・掲載
致します。---《コラム/コメントの投稿》
  • 前頁に戻る