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カブトムシ獲りツアー(4/4) ≪ほのぼの≫ 千葉県 会社員 ふぅ〜 2010.08.12

翌朝四時に起きて、
朝食前に早速行動開始。

2家族に1人の先生(又はスタッフ)が付いて1グループを作り、計6つのグループが昨日蜜を塗った木々のところへと出発しました。

私たち親子と同じグループになったのは、
丸太でカレーを食べた時に隣にいた、体の大きいお父さんと男の子でした。

お互いに

― こんにちは
― よろしくお願いします

と挨拶を交わし、簡単な自己紹介。

でも、そんな自己紹介の最中も、

(きっとカブトムシはこのお父さんが全部取っちゃうんだろうな―)

なんて考えていました。

(なんとか息子に一匹は捕ってあげたい…)

虫嫌いの私が、生れて初めて虫に執着した瞬間でした。

そのお父さんたちと、一緒に森に入ってしばらくすると
『おっクワガタがいたぞ!』
と早速そのお父さんが声を上げました。

もう男の子は大喜び。

一方でうちの息子は…
うらやましそうにそのお父さんと男の子のことを見ていました。

その後もそのお父さんは次々に虫を見つけたのですが、
感動したのは二匹目のオスのカブト虫を見つけた時のことでした。

「翔也くん、こっちにおいで」

と言って、うちの息子を呼んだのです。

そして自分の息子さんにしたように、
うちの息子のことを両手でヒョイと持ちあげて肩車すると

「自分で取れるか?」と言ってカブト虫を指差しました。

「うん、やってみる!」

息子はそう答えると、ゆっくり、ゆっくり手を伸ばし、
カブト虫の頭の角を掴んで、みごと捕まえたのです。

「やったぁ、捕まえたぁ!!」

息子のその声を聞いた時、私まで嬉しくて涙が出てしまいました。

「ありがとうございます」

「いやいや、翔也くんが自分で捕まえたんですから。なっ翔也くん」

「うん!」

その時、改めて気付かされました。

私は息子の為に、カブト虫を捕ってあげようとばかり考えていたのですが、
そのお父さんは、全てこどもに捕らせていたのです。

親が捕ったカブト虫を「はい」と言って子どもに渡すより、
自分の手で捕まえた方が感動は大きい。

「かぶとむしぃー、かぶとむしぃー、木の蜜チューチューかぶとむしぃー」

いつの間にか仲良くなった男の子と息子が歌う変な歌をを聞きながら、
私は家でカブト虫を飼う覚悟を決めました。

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