文字を小さく文字を大きく
 
お爺ちゃんの最後の仕事(1/2) ≪ほのぼの≫ 静岡県 高校2年 瑠璃 2010.05.13

道路建設の現場でずっと働いてきたお爺ちゃん。

人と人、街と街をつなぐ
生活道路を造ることは、やりがいのある仕事と感じて働いてきたそうです。

若い頃はよく家族を車に乗せ、
「この道路は俺が造ったんだぞ」
と自慢するかのように、

造ったばかりの道路をドライブしたと
お婆ちゃんが笑いながら話してくれました。

しかし、夜中に大型トラックや暴走族が走るようになり、
近隣の住民たちを悩ませるようになると、
少しずつ仕事に対する誇りみたいなものを失っていったのだそうです。

家族でドライブすることもなくなり、
仕事から帰ってくれば「疲れた」と言うだけのお爺ちゃんに変身。

そしてそのお爺ちゃんが定年前に会社を辞める
きっかけとなった事件が起きました。

自分の母校である小学校の裏手の原っぱを潰し、
そこに幹線道路を造る工事が始まったのです。

子どもの頃の遊び場だった原っぱに
ブルドーザーとショベルカーが入っていく光景は、
思い出の地が土足で踏みにじられているようで辛かったそうです。

そんな心境とは裏腹に、作業は淡々と進み、
更に奥の茂みへとブルドーザーが入った時でした。

見覚えのあるトタンと板きれで造った
小さな小屋が目に入りました。

小学生だった頃、お爺ちゃんが友達と造った秘密基地。

「お爺ちゃんはね、"ちょっと待ってくれー!"って叫びながら
 慌ててブルドーザーの前に走り出して
 こんな風に両手を広げてブルドーザーを止めたんだって」

そうお婆ちゃんが身振り手振りをしながら話してくれました。

○ 連載「お爺ちゃんの最後の仕事」 --- [1] | [2]

○ 「ホノボノ一覧」に<戻る>

-------------------------------------------------------
イメージ写真、文中の下線、カラー等の装飾、並びに関連サイトへのリンクは、
Simple-HP側にて設定させていただいております。
コラムに対するコメントもお待ちしております。 一つの『コラム』として選考・掲載
致します。---《コラム/コメントの投稿》
  • 前頁に戻る