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年越し休暇最終日(2/2) ≪ちょっと泣ける≫ 千葉県 会社員 菅野勝人 2010.01.07

そして翌日を迎えました。

家族の見送りは玄関まで。

以前、家族で東京駅まで見送りに来てくれたことがあったのですが、私が新幹線に乗った後、子どもたちを連れて帰るのが大変だったようで、それ以降は「玄関まで」となりました。

『3月にまた帰ってくるから』

家内と娘にそう言ってお別れの挨拶をすると、玄関を出てバス停に向かいました。

息子は…

結局見送りはしてくれませんでした。

駅に向かうバスの中、電車の時間をチェックしようと携帯を取り出した時、
間違って同じ色の家内の携帯を持ってきたことに気がつきました。

新幹線の時間があるので、
バスを降りて自宅に引き返す余裕はありません。

私は自宅に電話し、家内に携帯を駅まで持ってきてもらうことにしました。

改札前で待つこと15分。

するとそこに現れたのは息子の将哉でした。

『はい、これ』

視線をそらしたまま、息子は私に携帯を差し出しました。

『ありがとうな。ママは?』

『車の中』

『そうか。こっちの携帯、ママに返しといてくれな』

『…』

相変わらず、息子とは気まずい空気のまま。

『じゃあパパ、行ってくるからな』

『…』

私は将哉の頭を撫でると、改札に向かって歩き始めました。

すると『あのさー、パパ』という声が背中から聞こえてきました。

『俺さ、いい子でいるから。ちゃんとママの言うこと聞くからさー、また帰ってきて』

と。息子はそう言い終えると、泣き出しました。

『わかってる。また帰ってくるよ』

不覚にも私まで泣きそうになり、
それをごまかすように手を振って改札を抜けました。

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