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強い味方(5/5) ≪ちょっと涙≫ 東京都 会社員 ピヨン♪ 2009.12.06

「ただいまぁ」

玄関から聞こえてきた夫の声で
目を覚ました私。

「ヤダッ、本当に寝ちゃった!!」

慌てて起き上がって玄関に行くと、
夫は不機嫌そうな声で

「先に風呂入る」のひと言。

「お義母さん来ているのよ」

と小声で伝えると、

「お袋?いいよ、適当に相手してて」

とつれないコトバ。

それがどうやらお義母さんの耳に届いてしまったようでした。

「あらあら、ずいぶんとまぁ立派になったものねぇ。
 何言ってるの、お風呂はあとよ。先に夕飯にするから」

靴を脱ぐ夫の背中に義母がピシャリと一喝。

母親の言葉には逆らえないようで、
夫はしぶしぶ「分かったよ」と答えると、
「着替えるからスウェット持ってきて」と私に言いました。

すると、

「美菜子さん、いいの。ほっときなさい。
 それより勇人(←夫)、話があるからそのままこっちに来なさい!
 美菜子さんは勇樹と一緒にちょっとの間、居間にいて下さいな」

と厳しい声色。

それを聞いて、「今日は夫に話があって来たんだ」と思いました。

居間に入ると、すぐにダイニングにいる義母たちの声が聞こえてきました。

「ねぇ、家に帰ってきて美菜子さんの顔を見た?」

「いや、どうして?」

どうやら話の内容は私のようでした。

「なんで夫婦なのに顔を見ないの?
 美菜子さん本当に疲れてる顔してるわよ」と義母。

「…」

「あんたはね、仕事が終われば『1日終わった〜』で済むかもしれない。
 会社で嫌なことがあれば、帰りにちょっと飲んで帰ることだってできるし。

 でも、美菜子さんはそんな訳にいかないのよ。

 会社が終わったら、そのまままっすぐ勇樹を迎えに行き、夕飯の買い物をして、
 家に着いたら洗濯物を取りこんで畳んで、夕飯の支度をするの。

 夕飯が出来たらこどもに食べさせ、食器洗い、お風呂も洗い、
 子供をお風呂に入れて、寝かしつけら、明日の分の洗濯物を回し、
 それを干し終えたところでやっーと1日が終わるの。

 どんなに会社で嫌なことがあっても、肉体的にも精神的にもしんどくても、
 美菜子さんは逃げられないの、分かるでしょ。

 疲れってね、顔に出るの。
 だから、帰ったら美菜子さんの顔をちゃんと見なさい」

「…分かったよ」

「美菜子さんを大事にするのよ。
 美菜子さんの身体を気遣ってあげらるのはあんたしかいないんだから」

義母の言葉を聞いてて、涙が出てしまいました。

(この家に嫁いできて良かったぁ  (ノ△・。))

「じゃあスウェットは自分で取りに行く!
美菜子さんをいちいち使わない!分かった?」

「…分かったよ」

しばらくすると、夫が階段を上る音が…

そして台所にいる義母からは、

「美菜子さーん、勇樹ぃー、夕飯食べるわよ〜」

という声が聞こえてきました。

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