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土壁塗りの体験 | 埼玉県 | 大学1年 りおん | 2007.05.15 |
日本の伝統的な土塀作りや蔵の修理をする職人さんのことを
『左官職人』と言うのだそうです。
その道48年という、いわゆる『匠(たくみ)』と呼ばれる左官職人の親方の元に、中学生の男の子2人がニ日間弟子入りをし、土壁塗りの体験をするという体験番組が先日放送されていました。
初日、まず土壁の材料となる土を山へ取りに行くところから始まります。
大きな山から土壁に適した粘度のある土を選び、それを大きな袋に詰めて持ち帰ります。そして、休む間もなくその土に水を混ぜ、クワで丁寧にこね、ふるいに掛け、わらと砂利を混ぜるという工程を男の子2人が全て行ないます。
2人にとって、手にする道具も初めてですし、親方から指示される作業も初めてのことばかり。でも、額に汗しながら頑張ります。
そしてニ日目。親方の家の倉庫の壁に、昨日作った泥土を実際に塗っていく作業が始まります。
畳、一畳分以上の大きさの壁に向かい、重さ1kgあるコテ板の上に泥土を乗せた状態で、右手のコテを上手に使いながら平らに泥土を壁に塗っていく。
この姿勢を10分保つだけでもキツイだろうと思います。
しかしその中学生たちは、時々腕を振ったり、首を回しながら、最後まで投げ出さずに完成させました。
その間、親方は黙って見ているだけ。
48年ものキャリアを持つ人なら、途中で口を出したくなるところがたくさんあったことでしょう。しかし、親方は作業の途中では口を挟まず、ただジッと2人を見ているだけなのです。
そして土壁塗りが完了した時、当然親方から
「ここはねぇ、こう手に持ってこうした方が良かったなぁ」
といったアドバイス的な小言(?)があるのかと思ったのですが、
親方の口から出てきたのは、
「よぅがんばった。大したもんや」という誉め言葉だけ。
そして、その後、親方は、
「このニ日間で皆は何を学んだと思う?土壁の塗り方じゃない。最後までモノゴトをやりぬくことが大切だということを学んだんや」
と言って、2人の男の子の頭を、ごつい手でワシャワシャと撫でたのです。
男の子たちはもちろん笑顔。
たったニ日間の体験でしたが、この2人にとってはとても大きなニ日間だったろうなと思いました。
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