幼稚園の保母さん取材記「今どきの園児たち」
家庭で教えて欲しいこと
保母さんたちの生の声
01. | 幼稚園は「しつけ教室」ではないので… |
よくお弁当の食べ残しや食事のしつけについて父兄から問合せを受けます。うちの幼稚園では、子どもに無理やり食べさせることしませんし、食事のしつけも、「食前に手を洗うこと」と、「食べ歩きをしないこと」を教えるだけです。「お箸の持ち方ができていない」と言われても「それはご家庭で」と答えるしかありません。 | |
埼玉県 保育園 保母(キャリア8年) | |
02. | 子どもにトライさせて欲しい |
「幼稚園にあがったら、洋服の着替えが自分で出来るようになりました」とよく言われます。でも、幼稚園でやっていることは、「自分でやらせる」ことだけで、特別な"お着替え方法"を教えているわけではありません。手を出さずに子どもにやらせれば、子どもは自然に上達していきます。 | |
神奈川県 幼稚園 保母(キャリア11年) |
保母さんからのアドバイス
家庭でしてほしいこと
育児書には、よく
「○歳くらいになれば、○○が出来るようになりますが、個人差がありますので、あまり過度に心配なさらないで下さい」と書かれています。
例えば、
― 2歳くらいになればスプーンが使えるようになります
― 早い子なら3歳でお箸(ハシ)が使えるようになります
などなど。
でも、これらは 日々の練習の賜物(たまもの)であって、「○歳になったら突然できるようになる」という意味ではありません。
「うちの子は、2歳過ぎてもまだスプーンが使えないの。でも個人差があるみたいだから仕方ないわね。」
と言って、毎日ご飯をお口に運んであげていたら、3歳になってもスプーンを上手に使えることはありません。
確かに、子どもの発育は個人差が大きく、「○歳ごろになれば○○ができる」は一つの目安でしかありません。
しかし、トイレも、お着替えも、靴を履くのも、スプーンも、お箸も、上手に出来るようになる為には、日々の練習が必要だと言うことを忘れないで下さい。
家庭で親にして欲しいことの3点セットは、
1) 子どもにトライさせること、
2) ジレッたくても手を出さずに待つこと、そして
3) ちょっとでも出来た時は、きちんと誉めてあげること
です。大変ですが、子どもが出来るようにならなければ、親の苦労はいつまでも続いてしまいますので頑張って下さい。
家庭でして欲しくないこと
逆に、家庭で子どもにして欲しくないことは、子どもの前での夫婦喧嘩と人の悪口です。
家庭不和の中で育つ子どもは、気性が激しく、攻撃的になったり、逆に言いたいことが言えない内気な子どもに育つ傾向がとても強いです。
また、人の悪口は「いけないこと」だと教えて下さい。その為には、まず親が人の悪口を言わないように気をつけて下さい。