『しつけ』についてのお勉強
■■ごはんのしつけの例 〜技術の巻〜
■ 食事で"道具"を使うのは人間だけ
人間は、手先を使って
いろいろなものを器用に使いこなします。
ピアニストの方は、まるでピアノの鍵盤が自分の体の一部であるかのように扱い、綺麗な曲を演奏します。
もちろんそれは、毎日毎日たくさんピアノを練習をした結果であって、
「ある年齢に達したら、突然弾けるようになった!」
というわけではありません。
食事に使う スプーンやフォーク、お箸も全く同じで、これらを上手に使いこなすには、やはり練習が必要です。
具体的にどんなことを子どもに教えれば良いのかを、細かく分け、易しい順に並べたものが次の図です。
食事の『技術』
- スプーン(1): スプーンの先にのせた食べ物を口に運ぶ。
- フォーク(1): フォークの先についた食べ物を口に運ぶ。
- フォーク(2): 食べ物をフォークで刺す。
- スプーン(2): 食べ物をスプーンですくう。
- 左手: お皿やおわんをひっくり返さないように左手(サウスポーの子は右手)を添える。
- おはし(1): 食べ物をおハシで挟み、口に運ぶ。
- おはし(2): お茶碗を左手で持ち、おハシでご飯を食べる。
■■具体的なしつけの例
最初のステップは、スプーンやフォークを使って口に食べ物を運ぶこと。
スプーンで食べ物をすくったり、フォークで刺したりするのは、難易度の高い技ですのでもう少し後回しです。
初めはうまく口に運べず、ボロボロとコボしたり、落としたりしてしまうので、ママやパパが後ろから手を添えてあげると良いでしょう。
(補足)「手を添える」のは、「食べさせてあげる」のとは違う行為です。また、後ろから手を添えてあげると、子どもは手の動かし方を覚えますし、自分で食べた気にもなれるのです。
手を添えて食べさせていると、
次第に「あっ、自分で口に運べるな」と分かってきます。
その時はそっと手を離し、子どもにやらせてみて下さい。
そして、見事自分で口に運ぶことができたら
「すごいねぇ、自分で食べられたねぇ」と誉めてあげてください。
(補足) 1歳過ぎでは、まだ唇を上手に使えませんので、
食べ物を口からこぼしてしまっても、そのことを叱らないで下さい。
自分で口に運べるようになったら、ママやパパがしてあげるのはスプーンに食べ物を乗せ、子どもの手にそのスプーンを握らせるまでです。
『最初の2口は自分で食べよう』
と回数を決めてやらせると良いでしょう。
余談
お箸(ハシ)を早いうちから教えようとする家庭もあるようですが、お箸は手首と3本指(親指、人差指、中指)が器用に動かせないと上手に使えない道具です。
あまり早い時期にお箸を持たせてしまうと、変な持ち方が癖になってしまいますので、まずはスプーンやフォークをしっかり練習させる方が良いと思います。
食事の技術 は、こんな感じで教えてあげて下さい。
パターンは全て同じです。
まずはママやパパがお手本を見せ、そして小さな目標を設定して子どもにやらせ、出来た時はきちんと 誉めてあげる ことです。
きちんと道具が使えるようになるには、2年以上掛かりますので、小さなことにイライラせず、気長に教えてあげて下さい。